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家づくり用語:障子

スタッフブログ 施工ブログ 2021/06/24

日本人なら誰もが知っている和室。

和室と聞いて思い浮かべるお部屋と言えば何がありますか?

畳、敷石、玉砂利、縁側、格子戸。そして障子など、たくさんありますよね。

今回はそんな “障子” をピックアップしていきたいと思います。

障子を和室で使うのはもちろん、洋室でも、

和のテイストを取り入れたモダンな空間演出として使う事ができますので、

一概に障子=純和風と括らなくてもOKです。

リフォームや新築の際に、そんな障子を採用したいと考える人も多いでしょう。

ところで障子には枠の形状や組子のデザインによって、

色々な種類があるってご存知ですか?

障子戸を採用するにあたり、デザインによって、

インテリアの雰囲気にも大きく影響を与えます。

では、障子についてもっと掘り進んでみましょう。

障子について

まず最初に障子とはなんなのかという事ですが、家の建具の一つで、大きな木の枠に、縦横に多くの細い桟をつけ、紙をはったものを指します。

 

 

メリットとデメリットについて

障子がどういった建具なのかは改めてご理解いただけたと思います。
続いては障子を使う事に寄ってのメリットとデメリットを見ていきましょう。

 

メリット

直射日光が和らいだ光
に変化する
ガラスの光の透過率は90%。それに対し障子紙の光の透過率は
40~50%です。 
真夏の指すような直射日光も適度な明るさへと変化させ、不快な
西日も、和らげてくれます。
また、光を拡散するので、部屋中に柔らかな光が広がります。そして、枠や組子が影となって浮かび上がり、幻想的な雰囲気を演出してくれます。
カーテン
より
断熱性に
優れている
カーテンよりも障子の方が通気しにくいので、窓と障子の間が、ある程度密閉された状態になります。密閉された空気が、外気の温度を部屋の中に伝えにくくしてくれます。したがって、カーテンよりも高い断熱性を期待できます。
ただし、デメリットの所でも述べますが、窓と障子の間にできた中途半端な密閉空間が、結露を発生しやすくしてしまう事になります。
外からの
視線を遮断
レースのカーテンの場合、外の方が明るい昼間は部屋の中が見えませんが、逆に夜は部屋の中が丸見えになってしまいます。
その点、障子の和紙は昼夜問わず、外からの視線を遮断できます。ただ、夜間は照明の位置によっては、障子に人影が映るので、注意が必要です。
調湿効果がある

木と紙でできている障子は、湿度が高いときは湿気を吸収し、湿度が低いときは湿気を放出します。
ただ、樹脂製の障子紙やアルミ製の枠でできている場合は、調湿効果は期待できません。また、空気が和紙を透過する際に、空気中の異物をろ過してくれるので、空気清浄効果も期待できます。

 

デメリット

組子にホコリが
溜まりやすい
障子の組子はホコリが溜まりやすい代表格のような場所です。
また、障子紙が貼ってあるので、雑巾で水拭きする訳には行きませんし、掃除しにくく、綺麗な状態を保つのは難しいです。
しかし、後述する太鼓障子であれば、その心配もなくなります。

障子紙が破れ

やはり何といっても、障子紙が破れて穴が開きやすいという事が最大のデメリットかも知れません。
破れれば貼り替えなくてはならず面倒な上に、放っておくと見た目も悪いです。
和紙を樹脂フィルムでサンドした障子紙であれば、簡単には破れないので、破れが気になる方は多少価格は高くなりますがそちらを貼る事で、貼り替えの負担を大幅に軽減できます。
また、樹脂の障子紙(例:ワーロンシートなど)であれば、雑巾で水拭きもできますし、障子の掃除もしやすくなります。

窓が結露
しやすくなる

窓の付近の空気が動かず、滞留した状態になると結露が発生しやすくなります。
窓の内側に障子を設けると、中途半端な密閉空間ができます。
空気が滞留し、更に障子紙は湿気を通すので、中途半端な密閉空間にはドンドン湿気が供給されてくる状態になります。自然素材でできている障子には調湿効果があるものの、その調湿効果だけではその結露を防げません。障子を完全に閉めずに少し隙間を空けておくと、多少空気が動くようになるので、結露は少し緩和されます。

全開にできない

障子はカーテンのように構造上、全開にする事はできません。
仮に全開にしたい場合は、わざわざ障子を外さなければなりません。

後述する、普通の水腰障子であれば軽いので、取り外しするのは楽ですが、月見障子や猫間障子の様なガラスがハメ込まれている障子の場合、重量があるので、取り外しは結構困難です。

もし、取り外したとしても、置き場所に困ってしまうでしょう。

 

障子の部位の名称(名前)と寸法

雑学的ウンチクの部類に入りますが、障子は次のような部材で構成されていて、それそれの部位に名称(名前)があります。

 

上桟(かみざん) 障子の最上部にあり、鴨居の溝にハマる桟
中桟(しもざん) 上桟と下桟の間の位置にある桟
下桟(しもざん) 障子の最下部にあり、敷居の溝にハマる桟
框(かまち) 両サイドの縦の枠材。縦桟とも言います。
組子(くみこ) 上下の桟と框の間で、縦横に組み込まれた細い格子。
腰板(こしいた) 障子の下部にハメ込まれる板材。

*

 

障子の種類(組子のデザインによる分類)

一言に障子と言っても組子の組み方によってデザインは大きく印象を変えていきます。

 

荒組障子
(あらぐみしょうじ)
最もスタンダードな障子。
荒間(あらま)障子とも呼ばれる。
横方向に4等分。縦方向に6等分して組子を配します。
横組障子
(よこぐみしょうじ)
荒組障子の縦の組子はそのまま。
横の組子感覚を半分にして密度を
増やしたもの。
荒組障子同様、スタンダートな障子です。

横繁障子
(よこしげしょうじ)

関東地方で多く使われている傾向のタイプです。
横組障子の横の組子をさらに半分の間隔で狭めた障子です。

竪組障子
(たてぐみしょうじ)

荒組障子の横の組子はそのまま。
縦の組子の間隔を半分にしたものです。
余談ですが、障子名称の「たて」に対して、
縦ではなく「竪」の字を充てることが多いです。
竪繁障子
(たてしげしょうじ)
竪組障子を基本として、更に縦の組子の間隔を半分にして狭めた障子。
関西方面で好まれて多く使われていおり、
京町家などでは障子に限らず、玄関の引き戸や表の格子戸にも、
このデザインがよく使われています。
枡組障子
(ますぐみしょうじ)
縦の組子と横の組子が正方形になるように組んだ障子。
モダンな雰囲気を演出できるので、和洋のどちらの
インテリアにもマッチします。
吹き寄せ障子
(ふきよせしょうじ)
組子の間隔が広い箇所と狭い箇所を交互に並べ、
リズムの変化を付けて組んだ障子。
様々なパターンがあり、和モダン、
あるいは数寄屋風のインテリアにもマッチします。
変わり組み障子
(かわりぐみしょうじ)
組子を単純に縦横に並べるのではなく、斜めに組んだり、
伝統模様をあしらったり、あるいは不規則に配するなど、
デザイン性を強調した障子で、「組子障子」とも呼ばれています。
(※画像はデザインイメージの一例です。)

 

障子の種類(形状や機能による分類)

一言に障子

 

水腰障子(みずこししょうじ) 全面に紙を貼った、最もポピュラーなスタイルの
障子です。
腰板が無い事から「腰無障子(こしなししょうじ)」
とも呼ばれています。
外部に面した雨が掛かる場所では、
菜種油を塗って撥水性を良くして使用していたようです。
 

腰付障子(こしつきしょうじ)

下部の30センチ程度を腰板張りにした障子。
元々は外部に面した場所で使用され、雨が掛かっても
大丈夫なように腰板が60~80センチの高さまでありましたが
(腰高障子と呼びます)、室内の間仕切としても
使われるようになり、現在の様な腰の低い腰付障子が
一般化しました。

雪見障子(ゆきみしょうじ)

障子の下半分にガラスがハメ込まれ、
障子を閉めた状態でも外の雪景色を
楽しめるようになっている障子。
ガラスの前に上下、あるいは左右に
稼働する小障子が付いているタイプもあり、
その場合は「猫間障子」あるいは
「摺り上げ雪見障子」と呼びます。

額入り障子(がくいりしょうじ)

障子の中央部分にガラスを組み込んだ障子です。

基本的には腰付障子で、縦長にガラスが入っている
ものを「竪額障子(たてがくしょうじ)」、
横長に入っているものを
「横額障子(よこがくしょうじ)」と呼びます。

太鼓障子(たいこしょうじ)

外内の両面に紙を貼った障子の事を言います。

障子の中に空気層ができるので、普通の障子よりも
断熱性が高く、寒冷地で多く使われます。

また、組子が表に出ていないので、
ホコリが溜まらないので、掃除が楽になるという
メリットもあります。

猫間障子(ねこましょうじ)

雪見障子や額入り障子のようなガラスが組み込まれた部分に、
上下や左右に稼働する小障子が付いた障子の事です。

元々、猫間障子にはガラスは組み込まれておらず、
猫が出入りできるように作られた障子でした。

こうしてみると「障子」という一つの建具だけでも種類が多いですよね。

お家を建てる際、和室に障子を採用する時は好みのタイプを選んでみてください。

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