最近、巷では古民家再生といって古い民家を移築・改築して住居としたり、喫茶店などの店舗にするといったことがちょっとした流行のようで、雑誌やテレビでもよく目にしますが、それはどれも太い梁を表にして天井高を高くしたり土間と居間を広げたりといった、昔ながらの木造軸組みを活かした、「空間が開放的で気持ちよい」、という点で評価を受けているようです。
しかし、本来の古民家(古民家に限らず、昔の家はすべてそうだったに違いないのですが)の良さというものは、「開放的な空間」だけではなかったと思われます。
それは高温多湿な日本の気候を克服すべく、必要に迫られた構造であったからです。
(その証拠に、部屋は機能ごとに襖で仕切られており、日常的に開放して使っていたとは到底考えられない)。
では、本来の古民家の良さというものは何だったのでしょうか?それはつまり自然素材です。
今でこそ、自然素材と呼んでいますが、昔のようにビニールクロスも集成フローリングも無かった時代には当然のごとく、無垢の床材(あるいは畳)に、壁は土塗造、漆喰仕上げだったのです。
風道のある空間に加えて、そういった自然素材が当たり前に使われていたからこそ、日本の古民家は風土にあった家として現在でも評価されるべく存在しているのだと思います。
そういった意味において、桧の床材(もちろん無垢)に珪藻土の塗り仕上げは、古民家の持っていた特性を再現し得るものだと思われます。
だからこそ、夏にはべとつかず、冬には温かみを感じさせるのです。
また、冬には避けて通れない結露の問題ですが、ペアガラスさえ設置すれば結露しないというのは大きな間違いです。
それは南向きの部屋で作られた暖かく湿った空気が、北向きの部屋に入り込むことによって、窓の表面で冷やされるからです。
いくらペアガラスでも北向きは冷たくなります。
そこで我が家では、仕切りの少ない出来る限りの一室空間を心がけました。
(まあ、狭い土地なのであまり部屋も作れないのですが…)。
そうすることによって建物内のどの場所にいても温度差というものはほとんどありません。
また、空気の移動が頻繁に行われているので、窓付近に空気が滞留することがなく、結露は起こりません(今のところ)。
これは古民家でいうところの、軸組みによる「開放できる空間の作用」です。
古民家は確かに素晴らしいですが、実際に建てたり移築しようと思ったら莫大な金額がかかります。(自分がかなりの田舎暮らしをすれば別ですが)。
現代の便利なもの(ユニットバスやペアガラス)を使用しつつ、自然素材を使い空間構成をちょっと工夫すれば、快適な生活が送れるものだと、またこれからその生活を実践できるものと思っています。
それを実現させてくれたのが、タウンハウスさんであったことに感謝しています。 |